経済協力

 

対ニカラグア共和国 国別援助方針


2013 年3 月


1. 援助の意義
ニカラグアは内戦終結から22 年を経過し、近年の着実な経済成長により(*1) 人当たりの国民所得が1,000 米ドル1を超える状況となったが、経済発展に不可欠な社会資本はいまだ不十分であり、依然として中南米・カリブ地域においてハイチに次ぐ貧困国である。2012 年1 月から第二期目に入ったサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)のオルテガ政権は、外交面では左派政権諸国との関係を強化しており、国内では貧困層を重点対象とした社会政策(教育、医療等)を推進している。


しかし、国民の約4割強が未だ貧困層に属し、都市部と農村部との貧困格差も顕著
である。また、ハリケーンや地震といった自然災害に対する脆弱性(*2)、人口の1/3 が首都圏に集中することによる同圏内での生活環境の悪化などが国家発展の障害となっている。


このような状況にあるニカラグアを我が国が支援することは、同国の開発課題の解
決に貢献するとともに、我が国ODA 大綱の重点課題である「貧困削減」及び「地球規模の課題への取組」の観点から意義がある。さらに、中米で最大の国土を有する同国の社会経済的安定は、現在進められている中米統合機構(SICA)を中核にした地域統合の取組にとって重要な意味を持っており、中米の地域統合を後押しすることは、我が国の外交力の強化にも寄与すると期待される。


2. 援助の基本方針(大目標):貧困削減と格差是正による安定した経済成長
ニカラグアの安定した経済成長を後押しするため、貧困削減と格差是正に焦点をあ
て、経済の活性化に向けた基盤づくり及び貧困層・地域における社会開発への支援を展開する。また、我が国の技術・知見を活用した環境保全・防災への支援を行う。


3. 重点分野(中目標)
(1)経済の活性化に向けた基盤づくり

道路インフラ等、経済開発の基礎となる社会資本を整備し、国家の基幹産業である
農牧・水産業の振興と農村開発を支援することで、同国の経済基盤の底上げを図る。
また、技術協力を通じた同国の産業人材の育成を継続的に実施し、将来に渡る安定的経済・産業発展の基礎づくりに貢献する。


*1 一人当たりの国民所得(GNI):1,170 米ドル(2011 年、世界銀行)。
*2 Global Climate Risk Index では世界で4 番目に自然災害の被害を受けている(2011年、Germanwatch)。

 


(2)貧困層・地域における社会開発
地方農村部や首都圏貧困地区といった貧困層への支援として施設整備を含む初等中等教育の質の改善、保健医療・衛生の改善等を通じた人々の生活の質向上に貢献する。その他、コミュニティレベルでの自治能力強化に資する取組も行っていく。


(3)環境保全と防災
都市への人口流入による生活環境の悪化や頻発する自然災害に対する脆弱性に留意し、我が国が有する知見を活用した再生可能エネルギー及び省エネルギーの導入などによる環境保全分野や、災害リスクの軽減、災害発生時の対応などの防災分野における支援を実施する。


4. 留意事項
(1)ニカラグアを含む中米地域では、地域統合に向けた取組が進められていることに鑑み、我が国として中米統合促進及び広域協力に留意する。
(2)ニカラグアに対し、我が国は2004 年に債務救済措置を行っている。


(了)


別紙: 事業展開計画

 

  

  

  

 

 

   

 


法的事項 | アクセシビリティについて | プライバシーポリシー

© 2012 Embassy of Japan in Nicaragua
Plaza España 1c. abajo y 1c. al lago, Bolonia, Managua, Nicaragua (Apartado Postal 1789)
Tel: (505) 2266-8668